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Oracle TimesTen Replication - TimesTen to TimesTen開発者および管理者ガイド
リリース7.0
E05169-01
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レプリケーション・ステータスの表示

-showstatusオプションを指定してttRepAdminユーティリティを使用すると、レプリケーション・エージェントの現在のステータスを表示できます。ステータス出力には、問い合されたデータ・ストアのレプリケーション・エージェントで使用されるブックマークの位置、ポート番号および通信プロトコルが含まれます。

ttRepAdmin -showstatusの出力には、レプリケーション・エージェントで使用されるMAINスレッド、TRANSMITTERスレッドおよびRECEIVERスレッドのステータスが含まれます。マスター・データ・ストアにはTRANSMITTERスレッド、サブスクライバ・データ・ストアにはRECEIVERスレッドがあります。双方向レプリケーション・スキームでマスター/サブスクライバとしての機能するデータ・ストアには、TRANSMITTERスレッドおよびRECEIVERスレッドの両方があります。

各レプリケーション・エージェントには、ポートでピア接続をリスニングする単一のREPLISTENERスレッドがあります。マスター・データ・ストアでは、REPLISTENERスレッドがサブスクライバ・データ・ストアごとに個別のTRANSMITTERスレッドを開始します。サブスクライバ・データ・ストアでは、REPLISTENERスレッドがマスターからの接続のたびに個別のRECEIVERスレッドを開始します。

TimesTenデーモンがレプリケーション・エージェントの停止を要求した場合、またはレプリケーション・エージェントで使用されている他のいずれかのスレッドで致命的なエラーが発生した場合、MAINスレッドは他のすべてのスレッドが正常に終了するまで待機します。TimesTenデーモンは、致命的なエラーの種類に応じて、レプリケーション・エージェントを再起動する場合もしない場合もあります。REPLISTENERスレッドは、レプリケーション・エージェントの存続期間中には終了しません。TRANSMITTERまたはRECEIVERスレッドは停止する場合がありますが、レプリケーション・エージェントによって再起動されます。RECEIVERスレッドは、リカバリ不可能なエラーが発生した場合、またはマスターが接続を切断した場合に終了します。

例5.15に、rep1データ・ストアがマスターで、rep2データ・ストアがサブスクライバである単方向レプリケーション・スキームのttRepAdmin -showstatus出力を示します。最初のttRepAdmin -showstatus出力は、rep1データ・ストアおよびそのTRANSMITTERスレッドのステータスを示します。2つ目の出力はrep2データ・ストアおよびそのRECEIVERスレッドのステータスを示します。

例の後の項では、ttRepAdmin -showstatus出力の各フィールドの意味について説明します。

例5.15

rep1データ・ストアからrep2データ・ストアへの単方向レプリケーション・スキームについて考えてみます。

CREATE REPLICATION r

ELEMENT e1 TABLE t

   MASTER rep1

   SUBSCRIBER rep2;

rep1データ・ストアのレプリケーション・ステータスは、次のようになります。

> ttRepAdmin -showstatus rep1

DSN                         : rep1

Process ID                  : 1980

Replication Agent Policy    : MANUAL

Host                        : MYHOST

RepListener Port            : 1113 (AUTO)

Last write LSN              : 0.1487928

Last LSN forced to disk     : 0.1487928

Replication hold LSN        : 0.1486640

Replication Peers:

   Name                     : rep2

   Host                     : MYHOST

   Port                     : 1154 (AUTO)

   Replication State        : STARTED

   Communication Protocol   : 12

TRANSMITTER thread(s):

For                     : rep2

   Start/Restart count   : 2

   Send LSN              : 0.1485960

   Transactions sent     : 3

   Total packets sent    : 10

   Tick packets sent     : 3

   MIN sent packet size  : 48

   MAX sent packet size  : 460

   AVG sent packet size  : 167

   Last packet sent at   : 17:41:05

   Total Packets received: 9

   MIN rcvd packet size  : 48

   MAX rcvd packet size  : 68

   AVG rcvd packet size  : 59

   Last packet rcvd'd at : 17:41:05

   Earlier errors (max 5):

   TT16060 in transmitter.c (line 3590) at 17:40:41 on 08-25-2004

   TT16122 in transmitter.c (line 2424) at 17:40:41 on 08-25-2004

rep2データ・ストアのレプリケーション・ステータスは、次のようになります。

> ttRepAdmin -showstatus rep2

DSN                         : rep2

Process ID                  : 2192

Replication Agent Policy    : MANUAL

Host                        : MYHOST

RepListener Port            : 1154 (AUTO)

Last write LSN              : 0.416464

Last LSN forced to disk     : 0.416464

Replication hold LSN        : -1.-1

Replication Peers:

   Name                     : rep1

   Host                     : MYHOST

   Port                     : 0 (AUTO)

   Replication State        : STARTED

   Communication Protocol   : 12

RECEIVER thread(s):

For                     : rep1

   Start/Restart count   : 1

   Transactions received : 0

   Total packets sent    : 20

   Tick packets sent     : 0

   MIN sent packet size  : 48

   MAX sent packet size  : 68

   AVG sent packet size  : 66

   Last packet sent at   : 17:49:51

   Total Packets received: 20

   MIN rcvd packet size  : 48

   MAX rcvd packet size  : 125

   AVG rcvd packet size  : 52

   Last packet rcvd'd at : 17:49:51

MAINスレッド・ステータス・フィールド

次のフィールドは、問い合されたデータ・ストアのレプリケーション・エージェント内のMAINスレッドの出力です。

MAINスレッド
説明
DSN
問合せ対象のデータ・ストアの名前。
Process ID
レプリケーション・エージェントのプロセスID。
Replication Agent Policy
Host
このデータ・ストアをホスティングするマシンの名前。
RepListener Port 
レプリケーション・エージェントがリモート・レプリケーション・エージェントのTRANSMITTERスレッドからの接続をリスニングするために使用するTCP/IPポート。値が0(ゼロ)の場合は、このポートがレプリケーション・スキームの一部として指定されているのでなく、レプリケーション・エージェントに自動的に割り当てられている(デフォルト)ことを示します。
Last write LSN
データ・ストアに対して最後に生成されたトランザクション・ログ・レコードの場所。詳細は、「レプリケート・ログ・レコードの表示」を参照してください。
Last LSN forced to disk
ディスクに最後に書き込まれたトランザクション・ログ・レコードの場所。詳細は、「レプリケート・ログ・レコードの表示」を参照してください。
Replication hold LSN
サブスクライバに送信するためにログ内に保持されている最下位(最も古い)レコードの場所。値が-1/-1の場合は、レプリケーションがすべてのサブスクライバに対してStop状態であることを示します。詳細は、「レプリケート・ログ・レコードの表示」を参照してください。

レプリケーション・ピア・ステータス・フィールド

次のフィールドは、問い合されたデータ・ストアのレプリケーション・スキームに関連している各レプリケーション・ピアの出力です。ピアは、マスター、サブスクライバ、プロパゲータ、または双方向レプリケーション・スキームではマスターとサブスクライバの両方の役割りを果たすことができます。

レプリケーション・ピア
説明
Name
このデータ・ストアのレプリケーション・ピアであるデータ・ストアの名前。
Host
ピア・データ・ストアのホスト・マシン。
Port
ピア・データ・ストアのレプリケーション・エージェントが使用するTCP/IPポート。値が0(ゼロ)の場合は、このポートがレプリケーション・スキームの一部として指定されているのでなく、レプリケーション・エージェントに自動的に割り当てられている(デフォルト)ことを示します。
Replication State
問い合されたデータ・ストアに対するレプリケーション・ピアの現在のレプリケーション状態(詳細は、「サブスクライバのレプリケーション状態の設定」を参照)。
Communication Protocol
レプリケーションがピア間で通信を行うために使用する内部プロトコル(内部専用)。

TRANSMITTERスレッド・ステータス・フィールド

次のフィールドは、マスター・レプリケーション・エージェントがトランザクション更新をサブスクライバに送信するために使用する各TRANSMITTERスレッドの出力です。対応する複数のサブスクライバがあるマスターは、複数のTRANSMITTERスレッドを持つことになります。


注意: TRANSMITTER出力のカウントは、レプリケーション・エージェントを起動すると、累積し始めます。これらのカウントは、レプリケーション・エージェントを起動または再起動した場合にのみ0(ゼロ)にリセットされます。

TRANSMITTERスレッド
説明
For
レプリケート・データをこのデータ・ストアから受信するサブスクライバ・データ・ストアの名前。
Start/Restart count
処理のタイムアウトやネットワーク障害などの一時エラーが発生したため、レプリケーション・エージェントによってこのTRANSMITTERスレッドが起動または再起動された回数。
Send LSN
このピアに最後に送信されたLSN。詳細は、「レプリケート・ログ・レコードの表示」を参照してください。
Transactions sent
サブスクライバに送信されたトランザクションの合計数。
Total packets sent
サブスクライバに送信されたパケットの合計数(ティック・パケットを含む)。
Tick packets sent
送信されたティック・パケットの合計数。ティック・パケットは、マスターとサブスクライバの間のハートビートを維持するために使用されます。この値を使用すると、レプリケート・データと関連していない「Total packets sent」パケットの数を確認できます。
MIN sent packet size
サブスクライバに送信された最小パケットのサイズ。
MAX sent packet size
サブスクライバに送信された最大パケットのサイズ。
AVG sent packet size
サブスクライバに送信されたパケットの平均サイズ。
Last packet sent at
パケットが最後に送信された日時(24時間制表示の時刻)。
Total packets received
サブスクライバから受信されたパケットの合計数(ティック・パケットおよび確認応答データ)。
MIN rcvd packet size
受信された最小パケットのサイズ。
MAX rcvd packet size
受信された最大パケットのサイズ。
AVG rcvd packet size
受信されたパケットの平均サイズ。
Last packet rcvd at
パケットが最後に受信された日時(24時間制表示の時刻)。
Earlier errors (max 5)
このスレッドによって最後に生成された5つのエラー。

RECEIVERスレッド・ステータス・フィールド

次のフィールドは、サブスクライバ・レプリケーション・エージェントがマスターからトランザクション更新を受信するために使用する各RECEIVERスレッドの出力です。複数のマスターによって更新されるサブスクライバは、複数のRECEIVERスレッドを持つことになります。


注意: RECEIVER出力のカウントは、レプリケーション・エージェントを起動すると、累積し始めます。これらのカウントは、レプリケーション・エージェントを起動または再起動した場合にのみ0(ゼロ)にリセットされます。

RECEIVERスレッド
説明
For
レプリケート・データをこのデータ・ストアから送信するマスター・データ・ストアの名前。
Start/Restart count
処理のタイムアウトやネットワーク障害などの一時エラーが発生したため、レプリケーション・エージェントによってこのRECEIVERスレッドが起動または再起動された回数。
Transactions received
マスターから受信されたトランザクションの合計数。
Total packets sent
マスターに送信されたパケットの合計数(ティック・パケットおよび確認応答データ)。
Tick packets sent
マスターに送信されたティック・パケットの合計数。ティック・パケットは、マスターとサブスクライバの間のハートビートを維持するために使用されます。この値を使用すると、確認応答データと関連していない「Total packets sent」パケットの数を確認できます。
MIN sent packet size
マスターに送信された最小パケットのサイズ。
MAX sent packet size
マスターに送信された最大パケットのサイズ。
AVG sent packet size
マスターに送信されたパケットの平均サイズ。
Last packet sent at
パケットがマスターに最後に送信された日時(24時間制表示の時刻)。
Total packets received
マスターから受信された応答データのパケットの合計数。
MIN rcvd packet size
受信された最小パケットのサイズ。
MAX rcvd packet size
受信された最大パケットのサイズ。
AVG rcvd packet size
受信されたパケットの平均サイズ。
Last packet rcvd at
パケットが最後に受信された日時(24時間制表示の時刻)。